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2006.03.30

文章読本はネタの宝庫! 斎藤美奈子に脱帽

●文章読本界の御三家。
  谷崎潤一郎『文章読本』
  三島由紀夫『文章読本』
  清水幾太郎『論文の書き方』
●文章読本界の新御三家
  本多勝一『日本語の作文技術』
  丸谷才一『文章読本』
  井上ひさし『自家製 文章読本』

 斎藤美奈子が『文章読本さん江』(筑摩書房)で、挙げている文章読本における巨匠たちである。
 正直言って、このほとんどを読んだことがある。そして、なぜか気恥ずかしいが、かなり影響を受けている。
 「文章は短く」「やたらと『が』で文章をつなぐな」など、日ごろ強迫観念のようにしみついた文章禁忌は、これらの本から得たものだということに改めて気がついた。

 本書は、この2~3年読んだ本のうち、もっとも面白かった本のひとつである。
 そして、文章読本を読むよりも、文章の勉強になった。

 著者はあの手この手を使って、古今の文章読本のたぐいを愉快に解体してみせる。
 その手並みや見事。「文章読本の挨拶文比べ」に爆笑し、「文章読本を読むほど自分の文章読本を書きたくなるメカニズム」に得心した。
 次の文は明治期の小学生向け書簡文例集の一例。
 「大酔ノ上貴殿へ失礼致シ申シ訳ナキ次第…(こないだは大酔っ払いをこいて、貴殿に失礼をしてしまい…」
 小学生に酔っぱらいの挨拶文を教えてどうする!

 自ら、文章読本を殊勝に読んでいる時期があった、と著者がいっているように、売文業者なら、一度は文章読本の呪縛にかかったことがあるのではあるまいか(この文章長すぎた)。

 この本を読んで、改めて、昔読んだ御三家や新御三家の文章読本を読み返したくなった。
 今度は文章の勉強のためではなく、斎藤流の読み方で文章読本の「面白さ」を味わうために。

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