« 地味で気重な稼業ときたもんだ… | Main | 見ている人の見ているものを見ることはできない »

2006.04.16

人の一念石の花をも咲かす

 一時期、珍しい岩石標本を収集していたことがあった。とくに、瑪瑙の薄切りにしたものはコースターとして使った。
 岩石が好きになったのは、小学校のときに母に買ってもらった岩石標本がきっかけだ。ほかの自然物に比べると、何か高貴な感じがした。
 ローマのプリニウスが『博物誌』のいちばん最後の巻に「石・宝石」を持ってきたのもわかるような気がする。

 明治の文豪、幸田露伴の『芋の葉』という随筆集に「菊石の話」という話が載っていた。
 菊つくりを趣味とする岐阜の白木さんという人が所有していた山から、菊の花にそっくりな紋様の石が採れたのだという。
 手元にあった、ロジェ・カイヨワの『石が書く』には、この石は載っていなかった。
 それで、白木さんの一句。
「一念の石に咲きけり菊の花」

 石にまつわる不思議な話は多い。それについてもおいおい書いていきたい。

|

« 地味で気重な稼業ときたもんだ… | Main | 見ている人の見ているものを見ることはできない »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 人の一念石の花をも咲かす:

« 地味で気重な稼業ときたもんだ… | Main | 見ている人の見ているものを見ることはできない »