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2006.04.13

メーテル、じゃなくてエーテルの話。中国変革者の夢

 突然、科学の話で恐縮だが、19世紀末、まだアインシュタインの相対性理論が生まれる前は、宇宙は「エーテル」という物質で満たされていると科学者たちは考えていた。
 もちろん、エーテルなんてものがないことは今ではわかっている。ま、ひとつのトンデモ学説だったに過ぎない。

 しかし、当時としては最新学説だった「エーテル」を、自説にうまく取り込んで、『仁学』(岩波文庫)という本を書いたのが、清朝末の譚嗣同(たんしどう)である。
 社会変革の活動家であった譚嗣同は、孔子、キリスト教、仏教の知識と、エーテル説を調合し、変革の書『仁学』を書き上げた。

 最近、最新の科学知識と、東洋思想と、通俗道徳感を混ぜ合わせたような、人生論の本がよく売れているようだが、その先駆けとなった本でもあろうか(もちろん『仁学』には遠く及ばないが)。
 書名はあげないが、「波動」とか「気」とか「量子論」などという言葉をよく使う本がそうだ。

 笑止なことに、この『仁学』の訳者も、解説で、気功師がだす「気」が科学的に証明されたようなことを言っている。ぷっ、かわいい。

 そんなことはともかく、譚嗣同は、この本のなかで、見習うべき国として日本をあげている。
「(日清戦争で)日本が勝利したのは、西洋諸国の仁義のためのいくさをよく見ならって、公法をかたく守り、君にだけねらいをつけて民に敵対せず、それで余計な殺しは避けたからだった」

 なんでもかんでも「日本が悪かった」派の連中にこそ読んでもらいたい本だ。

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