« ゲゲゲの思い出 | Main | 鏡の魔術 »

2011.07.13

鏡の歴史

『鏡の歴史』マーク・ペンダーグラスト著 樋口幸子訳(河出書房新社)

鏡の歴史というより、鏡の百科事典ともいうべき、豊饒な鏡譚の数々。

「古代文明と鏡」「魔法の鏡の時代」「光とは何か」「科学の鏡の時代」「鏡に関する文学」「鏡に関する絵画」「宇宙を捕らえる鏡」「光の正体」「巨大望遠鏡の発展」「鏡と虚栄産業」「幻想と現実を映す鏡」
の全11章からなる。

今日、私たちは、日常的に鏡を見ている。
もちろん、鏡が発明される前は、こんなことも簡単ではなかった。
それこそ、ギリシア神話のナルキッソスのように、
水面に映る自分の顔を見るしかなかった。

そして、金属を磨いた鏡、そして、ガラスに金属箔を張った
鏡が発明された。
庶民でも、手軽に鏡を見られるようになったのは、それ以降である。

鏡に映っているのが自分だと認識できるのは、
高等霊長類と、イルカ、ゾウしかいないらしい。
ヒトでも、生後、20か月から24か月で、
やっと、鏡のなかの姿が十分と認識できるようになる。

ところで、ふだん、鏡で見ている自分は左右が反転している。
だから、写真に写った自分に違和感を覚えることもある。
また、男のほとんどは髪を左側で分けており、
それが男らしさをあらわすと感じられているらしい。

ある仕掛けで、左右反転しない自分の姿を見られる
「トゥルー・ミラー」があるという。

本書で扱われている話題は、どれも、とびっきり面白い。

著者はジャーナリストで、『コーヒーの歴史』(河出書房新社)、
『コカ・コーラ帝国の興亡』(徳間書店)などがある。

|

« ゲゲゲの思い出 | Main | 鏡の魔術 »