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2012.05.12

オーレリア


ネルヴァルの「オーレリア」を久しぶりに読んだ。
実は、いまのマンションに引っ越すとき、
ちょうど古本屋を始めた友人に、蔵書の一部を、
預かってもらっていた。

急に、ネルヴァルが読みたくなったので、
送ってもらったのである。

筑摩書房の3巻もののほうの『ネルヴァル全集』だ。
現在は同じ筑摩から6巻ものが出ているが、
主要作は3巻ものでも読むことができる。


「夢は第二の人生である」という有名なフレーズで
始まる「オーレリア」は、すでに狂気に捉えられていた
ネルヴァルが、縊死に至るまで書き継いだ遺作であり、
最高傑作である。

文学史のなかで、これほど、「夢」をみごとにテーマ化した
小説があっただろうか。
ネルヴァルのなかでは、夢は、まさしく第二の人生なのであり、
夢は現実世界に浸食し、現実世界は夢に溶融してゆく。
その現実と夢のあわいを幻視者ネルヴァルは放浪する。

理想の女性オーレリアは、あたかも夢にでてくる捉え難い
ニンフのように、また、はかなく現実からも夢からも
旅立ってしまう。


ああ、こんなことしてるから仕事が進まなくなる。

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