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2012.05.02

イニシエーション・ラブ

昨日、原稿のほとんどは送った。
しかし、まだ残りの原稿がある。
最後の山場だ。


知り合いの編集者さんに、
最近、面白そうなミステリーは何ですか?
と聞いたところ、わざわざ本を送っていただいた。

仕事が一段落したところで、軽く読み始めたら、
止まらなくなって、結局一気読みしてしまった。


乾くるみ『イニシエーション・ラブ』(文春文庫)

裏表紙の説明には、
「最後から二行目(絶対先に読まないで!)
 で、本書は全く違った物語に変貌する」

おお、そそられるフレーズ。
以下、ネタばれしないように書いていきます。


読み始めると、まあ、ふつうの青春恋愛小説だ。
しかし、読み進めるにつれ、何か違和感がつきまとう。

時代設定は、1980年代後半。
まだ、携帯電話は普及しておらず、
公衆電話のテレカを使っていた。

そんな時代の恋愛、および遠距離恋愛。
そこから、小さな悲劇がはじまる。

最後の2行は唐突にきた。
はあ? わからない。

そう、わからないから、ページを改めて繰ってみる。
しばらくかかって、わかった。
ああ、そういうことなのか!
絶対最後の2行を先に読んではいけない。

帯には「必ず二回読みたくなる小説」と
書いてあるが、うそじゃなかった。
というか、二回読まざるを得なくなる。


東野圭吾の『どちらかが彼女を殺した』
(講談社文庫)も、そうだった。
最後まで、犯人が明かされないまま読者は放り出される。
読者はもう一度、ページを繰り直す。

そして、最初は読み流してしまった、
その決定的な1行を発見するのである。

これも、傑作だったなあ!

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