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2012.06.05

たんぽぽ娘・もし万一……

さえない天気だ。
これからは1日も無駄にできない。


●夫婦愛をテーマにした珠玉SF3

結婚してから、はじめて良さがわかった
SFがある。
いずれも、タイムトラベルが関連している。

あ、ネタバレします。


★「たんぽぽ娘」ロバート・F・ヤング
 『年刊SF傑作選2』(創元推理文庫)所収

独身時代に読んだときには、何の感銘もなくて、忘れていた。
結婚した後、ふとした時に読み直したら、
涙で字が読めなくなった。

妻の長期留守中、草原で出会った、たんぽぽ色の髪の娘。
彼女はタイムマシンを使って未来から来ていた。
主人公は、この娘を愛し始めるが、別れの日が来た。

傷心した様子の彼の姿を見て、妻は心を痛めた。

ある日、妻の外出中に偶然、妻のケースを落としてしまい、
鍵が壊れて中身がでてしまった。
それこそ、あの時、たんぽぽ娘が着ていたドレスだった。

主人公は、20年前、妻が自分のオフィスに、
秘書の面接に来た時の、おずおずとした姿を思い出した。

彼女は一世一代の賭けにでたのだ。
40歳のとき、自分を愛してくれた男が、
20歳でも愛してくれるかどうか?

主人公は、たまらなくなって、雨の中、
妻が乗って帰るバスの停留所目指して走った。
バスから、いまでは少し濃くなった
たんぽぽ色の髪をもつ女性が降りてきた……。


★「もし万一……」アイザック・アシモフ
 『サリーはわが恋人』(早川文庫)所収

ある夫婦が汽車に乗ると、前の席に黒い箱を
もった男が座った。
もし万一、あのとき、二人が出会っていなければ
それからどうなったかを知ることができるのだという。

画面には、夫が別の女性と結婚したストーリーが、
映し出された。

さて、それから最終的にどうなったか?
想像できますか?


★『リプレイ』ケン・グリムウッド(新潮文庫)

ささいなことで妻と喧嘩した43歳の主人公が、
あっけなく急死してしまう。
気がつくと自分は18歳の学生に戻っていた。

記憶はそのままに、体だけ学生になったのである。
彼にとって、この先の未来は、すべて既知のことだ。
たとえば、株や競馬の結果の記憶も。

若いときの妻に会いにいくと、拒絶されてしまい、
ついに、付き合うことはできなかった。
彼は再び、43歳で急死する。

すると、また18の自分に戻っていた。

主人公が、自分の妻と再び会うことはもうできないのか。
気まずくなってしまった関係はもう、
元に戻すことはできないのだろうか……。

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