« ねらわれた少女 | Main | 寺山修司と生きて »

2012.06.26

贖罪の奏鳴曲(ソナタ)

仕事しなければならなかったのに、
読んでしまった。


●『贖罪の奏鳴曲』
  中山七里(講談社)

「しょくざいのソナタ」
「なかやましちり」
です。


こ、これは、もしかして、大変な傑作か?

でも、まだ、どう評価しようか迷っている。

少なくとも、この1~2年では、
私的には最高の問題作だ。


意表をつく発端。
主人公のあまりにも意外な出自。
反感と共感。
法廷シーンでのカタルシス。
ラストのどんでんがえし。
ふいに襲う感動。
そして、深い問題提起。
圧倒的だ。


しかし、途中で、読むのをやめようかと
思ったのも事実だ。
こんな主人公に共感することはできない。
ところが……!


主人公は、悪徳弁護士、御子柴礼司(みこしばれいじ)。
物語は、なんと、この主人公が死体の処分を
するところからはじまる。
すぐに、疑いを抱いた敏腕刑事につきまとわれる。

一方、主人公は勝ち目のない裁判の国選弁護人を
引き受ける。

読者は、見事に予想を裏切られていく。


3分の2ぐらいまでのところで、
はたして、この小説、どうやって
収束させるつもりなのか、
作者の仕掛けがまったく読めなくなった。


読者は、混乱と困惑と懇情に翻弄されて、
最後のクライマックスに導かれる。

「許される」ということはどういうことなのか。
問題作であることは間違いない。

|

« ねらわれた少女 | Main | 寺山修司と生きて »