« 宇宙人ポール | Main | あんときの悪夢 »

2012.08.26

夏の庭

ちょっと、ショック。
こんな名作を、まだ読んでいなかったとは。
これは、できれば子どものときに読んでおきたい物語だ。
(もっとも私の子どものときにはまだなかったが)


●『夏の庭 The Friends』湯本香樹実(新潮文庫)

この物語は2つの友情物語だ。
少年どうしの友情と、もう一つは少年たちと老人の友情。

少年の友情と「死」というと、スティーヴン・キングの
『スタンド・バイ・ミー』が、思い浮かぶが、
「死体を見に行く」という設定が気色悪くて
私にはイマイチだった。

こちらは、小学校6年の友達3人が、
人生残り少なそうな老人の「死」を見ようというのだが、
少年たちと老人のユーモラスなやりとりで、
さわやかな印象が残る。

どうも、私は、友情テーマというのに滅法弱いのだ。
それがWで襲ってくるのだからたまらない。

話は脇道にそれるが、「夏の庭」というと、
三島由紀夫の『豊饒の海』のあのラストも思い出す。

とやら何やらで、一気読みしてしまった。
3人で植えた、老人の家の夏の庭一面のコスモスが、
目に焼きついて離れない。

それは、最初から別離の予感を秘めた花だった。
ラスト、清爽なそれぞれの別れ。
せつない……。

|

« 宇宙人ポール | Main | あんときの悪夢 »