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2012.10.22

大都会隠居術

ようやく体調が回復してきた。
しんどかった!

T社に初校ゲラを戻した。
あと、まえがきとあとがきを書かなくちゃ。

若い頃、おぼろげに描いていた未来では、
この歳では、もうじき、隠居生活に
入るはずだった。
が、もうムリムリ。金がない。
生涯現役を通さなければ。

せめて、こんな本でも読もう。


●『大都会隠居術』荒俣宏編著
 光文社文庫


隠居名人たちの隠居小説、エッセイを多数収録。


 第1ステップ 都会隠居術事始め
  世の煩わしさから逃れる
   大岡昇平、永井荷風、水木しげるほか

 第2ステップ 都会に潜む悦楽
  女子供に分らぬ世界へ
   江戸川乱歩、内田百間、幸田露伴ほか

 第3ステップ それぞれの隠居たち
  心朽ちた聖者の伝記を読む
   宇野浩二、古今亭今輔、谷崎潤一郎ほか

 第4ステップ 骨董、味道の悦楽
  平成あこがれのご隠居たち
   宇野千代、青山二郎、北大路魯山人ほか

 第5ステップ そして、死との対面
  都会での死に方を知る
   稲垣足穂、ピーター・S・ビーグル、ボリス・ヴィアン


このうち、稲垣足穂の「二十五歳までに決定すべきこと」は、
若い頃読んで衝撃を受けた覚えがある。

「私は若い人々に向って云いたい。死ぬるにしても、
 生きるにしても、二十五歳までに決定したまえと」

二十五歳にしては、重い課題を与えられたものだ。
当時私は出版業界にいたが、そのままで終わるとは、
思っていなかった。
腰が座っていなかったのである。

覚悟などありはしなかった。
成り行きでこの歳まできてしまったのである。

「われわれはただ、「容易なことでは問屋が卸して
 くれんぞ」を覚悟する必要がある。この一事さえ
 忘れなければ、諸君が自殺しようと、自殺を思い
 とどまろうと、各自の自由である」


本書では、ほかに、江戸川乱歩が、アーサー・マッケン
について書いていたり、ビーグルの、
『心地よく秘密めいたところ』の抄訳が載っていたりする。

月刊ペン社の「妖精文庫」が懐かしい!

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