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2012.12.18

エラズマス・ダーウィン

区の図書館に、私の新刊が5冊入っている。
いまのところ、全部貸し出し中。
タダなら読むという人は多いのだな。

書店で、読者に財布を開かせる、
ということはけっこう大変なことだ。
買っていただけるのは本当にありがたい。

仕事のために、科学関係の資料を読む。
その1冊。

●『エラズマス・ダーウィン』
 デズモンド・キング=ヘレ(工作舎)

進化論で有名なチャールズ・ダーウィンの祖父。
実は、チャールズに先駆けて進化論を唱えていた。

一種の万能人だ。
博物学者、植物学者、発明家、詩人……。
孫のチャールズより偉い。

詩人の仕事として名高いのが、
『植物の園』である。
リンネの植物学にインスピレーションを得て、
植物の生態を、博物学的知識を元に、
詩にまで昇華させた。

『植物の園』の一部、「植物の愛」が
国書刊行会・世界幻想文学大系の
『英国ロマン派幻想集』に収録されている。

「つれなく内気なウコンは、どんなに手を
 尽くして言い寄られても、
 恋する夫にはその目をそむける。
 あごひげもない四人の若者は霊的な愛の
 やさしさをもって、
 つれなき美女の心を動かす。」

こんな調子で、花の中の雄しべと雌しべの
数や形態を表現する。
世にも奇妙な詩編だ。

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