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2013.01.07

ノックス師に捧げる10の犯罪

世間では、今日あたりが本格的な
仕事はじめだろう。
こっちも、本腰を入れて仕事しなくては。


●『ノックス師に捧げる10の犯罪』
 ヨゼフ・シュクヴォレツキー(早川書房)

推理小説では、「ノックス師の十戒」という
ルールが知られている。
推理小説の戒めをまとめたものだ。


以下、細かい点を省略して書くと、

第一条 犯人は物語の早い段階で登場すること。
第二条 超自然的要素や魔術的要素はなし。
第三条 秘密の部屋、通路は1つまで。
第四条 まだ発見されていない毒物は使わない。
    また、長大な科学的説明が必要なトリックはダメ。
第五条 中国人を重要な役で登場させない。
第六条 探偵は偶然に助けられてはならない。
第七条 探偵その人が罪を犯してはいけない。
第八条 探偵が手がかりを得たときは、即座に読者も
    それを検討できるようにすること。
第九条 探偵の愚かな友人であるワトスン役は、
    自分の頭に浮かぶ思考をかくしてはならない。
第十条 双子の兄弟、顔がそっくりな人物は、その出現を
    自然に予測できるようにしておくこと。


これらの禁じ手をすべて破った短編集が本書だ。
当然、十戒に対して、十個の短編が収められている。

禁じ手を破るといっても、明からさまに破ったのでは
面白くない。
読者には、どの短編がどの戒めを破ったのか推理する
楽しみも与えられている。

また、エラリー・クイーンばりに、途中で読者への
挑戦状が提示される。

全編に共通しているのは、イブ・アダムという、
ブロンドの髪の女性が登場すること。

小粒な短編ばかりだが、興味津々で読むことができる。
作者は、ボヘミアの生まれで、カナダに亡命している。

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