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2013.05.03

銀河鉄道の夜 初期型

宮沢賢治は、どこに発表するあてもなく、
自分の作品に手を入れ続けた。

それはときに原型をほとんんど
とどめなくなるほど徹底的だった。

その校異をすべてもらすことなく
掲載したのが筑摩書房版
『校本 宮沢賢治全集』である。
労作だ。

この全集には、『銀河鉄道の夜』の
初期型と、手を入れたあとのバージョンが
競演している。

賢治ファンにとっては、こたえられない
趣向である。

なんと、初期型には、親友のカムパネルラが
水死する叙述は入っていない。

作品としては、後者のほうが完成しているが、
初期型のやや荒削りな魅力も捨てがたい。

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