« クロユリ団地 | Main | マスコミの自堕落 »

2013.05.26

完全なる首長竜の日

体調は、徐々に持ち直してきたようだ。
読書欲も戻ってきた。
これで仕事も一気に仕上げていきたい。


●『完全なる首長竜の日』乾緑郎
 (宝島社文庫)

映画化されたというので読んでみた。
第9回「このミス大賞」受賞作。

自殺未遂で植物状態となった弟の意識に、
「SCインターフェース」という
医療機材を使って、
姉である主人公の意識を潜り込ませる。

もちろん、SCインターフェースというのは、
架空の機材だ。
だから、SF風の設定が苦手といういう人には、
ピンとこない作品かもしれない。

この機材を使うと、意識の世界が非常にリアルに
体験できる。
現在、科学の最大の難問である意識の「クオリア」の
問題も関連する(詳しい説明は省きますが)。

主人公は、何度も弟の意識のなかに潜入し、
なぜ、自殺を図ったのか真意を探ろうと試みる。

ところが、意識のなかに登場する弟は、
なかなかしたたかで、本音を明かさない。

現実世界では、やはり息子が自殺未遂で植物状態
になったという女性が現れる。

彼女は、主人公の弟の意識に潜り込ませてほしいと、
申し出るのだが……。


他人の意識のなかに潜り込むというと、
夢枕獏のサイコダイバーが思い浮かぶ。

また、途中で、半村良の異常傑作
「夢の底から来た男」のシーンが
フラッシュバックしたが、ネタバレと
なってしまうので、詳しくは明かせません。

最後には大どんでんがえしが待つという趣向だ。
気持ちよく「騙されたい」という人にはお薦め。

|

« クロユリ団地 | Main | マスコミの自堕落 »