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2014.01.19

ねじの回転

書かなければならない原稿、企画書が
溜まってしまった。
ちょっとスピードを上げなければ。


●『ねじの回転 心霊小説傑作選』
 ヘンリー・ジェイムズ(創元推理文庫)

心理小説家ヘンリー・ジェイムズの傑作幽霊譚。
実は、以前、新潮文庫版で読んだことがあるが、
よく理解できなかった。

再読して、ようやく初読のときのもやもやした
読後感の意味が理解できた気がする。

古い屋敷で育てられている兄妹の
家庭教師として雇われた女性の手記。
幽霊は主人公の前に忽然と現われる。
どうやら、以前、この屋敷に勤めていた
召使と前の家庭教師の亡霊らしい。

幽霊を見るのは主人公だけなのだが、
主人公は子どもたちにも見えていると確信する。
亡霊たちは、兄妹を悪徳の道に
誘おうとしているようだ。

しかし、その悪徳とは何なのか、
本当に子どもたちに幽霊が見えているのか、
読者にははっきりわからない。

なので、幽霊は家庭教師の幻覚であるという
解釈も生まれてくるのだ。
だが、これは作者が意図的にぼかして
書いているに違いない。
そのほうが恐怖が倍増するのだ。
これが初読のときはわからなかったのだ。

亡霊はとくに何をするわけではない。
だが、恐怖感、不安感がじわじわと襲ってくる。
何より、亡霊を見ているらしい子どもたちが、
それを隠しているところが怖い。

邦題の「ねじの回転」は、正確には、
ねじのひとひねりというような意味だという。
本当にひとひねりもふたひねりもしてある
不思議な味の怪談である。

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