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2015.01.06

マスカレード・ホテル

世の中も、そろそろ仕事始めだ。
締切も迫ってきた。
本格的に始動しなくては。


●『マスカレード・ホテル』東野圭吾
 (集英社文庫)

連続殺人犯が現場に残す謎の数列。
それを解読すると、次の犯行現場が
示されていた。
その場所とは、ホテル・コルテシア東京。

警察は、犯行を事前に防ぐべく、
ホテルに刑事・新田浩介を潜入させた。
新田は、ホテルマンに化けるが、
ホテル側の教育指導員・山岸尚美に、
徹底的に絞られる。
二人は対立しながらも、事件の真相に
近づいていく。

宿泊客のクレーム処理のような、
ホテルの裏側も描かれていて
興味を惹かれる。
ああ、こんな風に対処するのか。

東野作品としてはふつうの面白さ。
とは言っても、プロットは
よく練られている。
途中で、先の展開が予想できて
しまったけれど、楽しめた。

私の苗字と同じ登場人物もでてきて
親しみを感じた。

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2015.01.04

その女アレックス

●『その女アレックス』ピエール・ルメートル
 (文春文庫)

昨日の『満願』は国内部門で第一位だったが、
こちらは「このミス」「文春」などで、国外部門第一位。
ルメートルはフランスの作家。

衝撃的な作品だ。
その女アレックスは、見知らぬ男に誘拐監禁される。
迫り来る死に必死であらがうアレックス。
一方、誘拐するところは通行人に目撃されていて、
警察も動き出す。

ここからは、アレックス側の視線と警察側の視線が
交互に描かれる。
警察には、被害者も加害者もまったく不明。
果たして、アレックスは救われるのか。

プロットについて書けるのはここまでだ。
全体は三部に分かれていて、
それぞれまったく予想外の展開となる。

どういう風に予想外なのか、それについても書けない。
ただ、言えるのはアレックスそのものが、
最大の謎だということだ。
こんなミステリーはこれまでなかった。
一位獲得というのもうなずける。

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2015.01.03

満願

正月は、仕事に関係ない本を集中して読むことができた。
そのうちの一冊。


●『満願』米澤穂信
 (新潮社)

「このミス」「週刊文春」「ミステリが読みたい!」
の三つのベストテンで一位になったとの宣伝文句。
いやでも期待が高まる。

表題作ほか全部で六つの作品からなる短編集。
一位になった割に、派手さはない。
大人のミステリーという感じだ。

この著者の作品を読むのはこれが初めて。
青春もので定評があるが、本書は少し違う。
登場人物もほとんどが中高年。
ミステリーではあるものの、謎解きものというより、
複雑な人間模様、人生の機微が精細に描かれており、
味わい深い作品ばかりだ。

もちろん、ミステリーなのでオチがあるわけだが、
最後に人間の「怖さ」がじんわりと伝わってくる。
いわば、人間の闇の部分が明るみにだされる。
地味ながら、佳作ぞろい。読み応えがあった。

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