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2015.01.03

満願

正月は、仕事に関係ない本を集中して読むことができた。
そのうちの一冊。


●『満願』米澤穂信
 (新潮社)

「このミス」「週刊文春」「ミステリが読みたい!」
の三つのベストテンで一位になったとの宣伝文句。
いやでも期待が高まる。

表題作ほか全部で六つの作品からなる短編集。
一位になった割に、派手さはない。
大人のミステリーという感じだ。

この著者の作品を読むのはこれが初めて。
青春もので定評があるが、本書は少し違う。
登場人物もほとんどが中高年。
ミステリーではあるものの、謎解きものというより、
複雑な人間模様、人生の機微が精細に描かれており、
味わい深い作品ばかりだ。

もちろん、ミステリーなのでオチがあるわけだが、
最後に人間の「怖さ」がじんわりと伝わってくる。
いわば、人間の闇の部分が明るみにだされる。
地味ながら、佳作ぞろい。読み応えがあった。

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