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2015.06.11

自由未来

街でいちばん大きな書店に行って驚いた。
明らかに、在庫数が減っているのだ。
山のようだった平積みコーナーも、
小さな山でしかなくなっている。
全体的にスカスカした感じなのだ。

これはそうとうな危機だ。
このクラスの書店が潰れていったら、
出版業なんて成り立たなくなる。
この業界、いったいどうなるのだ。


●『自由未来』ロバート・A・ハインライン
 (早川書房)

1964年の作。
SF界の巨匠ハインラインの作品としては、
あまり有名ではないかもしれない。

この作品を初めて知ったのは、
中学生だったとき。
少年マガジン(たぶん)巻頭の
SF特集でだった。
水木しげるさんが挿絵を描いていた。

いつかは読もうと思いながら、
40年以上も経ってしまった。
しかし、いま読んでもおもしろかった。

まだ、冷戦時代。第三次世界大戦が起こり、
主人公たちは核シェルターごと、
2000年後の世界にタイムスリップしてしまう。

そこは、黒人が支配し、白人が“食用”と
されている想定外の世界だった。
主人公は捉えられ、仕事をあてがわれるが、
ひそかに脱出の機会を狙っていた……。

現在では、ドラマでもやたら
タイムスリップものが流行っていて、
食傷気味だが、
このころはまだ新鮮なテーマだった。

さすがに、冷戦時代の作品なので古さは
感じられる。
だが、そこはハインライン。
設定がショッキングで、冒険活劇要素や人間ドラマ的
要素もしっかり書き込まれていて読ませる。

まあ、おもしろいといっても、
『夏への扉』には及ばないけど。

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