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2016.12.13

コンビニ人間

●『コンビニ人間』村田沙耶香(文藝春秋)

芥川賞受賞作。
評判がいいので読んでみた。
作者はこれまでにも、野間文芸新人賞、
三島由紀夫賞などを受賞している。

おなじみのコンビニの裏側を見てみたいという
好奇心を満たしてくれるだけの小説と思っていたが、
それだけではなかった。

主人公は大学時代、コンビニのバイトを始めて以来、
36歳の現在までほかに就職もしていない。
もはや、コンビニの一部と化したような「コンビニ人間」
なのだ。

そのような主人公に家族、友人たちの目は冷たい。
なぜ、36歳にもなって、就職も結婚もしていないのか。
どうやら、恋愛体験さえないらしい。

ある日、主人公のコンビニにある男のバイトが入ってくる。
ところが、この男が超問題児。
仕事はサボるは、言うことはきかないは、あげくの果てに、
客の女性のストーカーになりかけ、ついにクビになる。

主人公は、ひょんなことから、この男と奇妙な同居生活を
始める。
お互い、世間からははみ出し者同士。
だが、家族や友人は、主人公が男と同居しているという
だけで、見る目が変わってきた……。

なぜ、コンビニ人間ではいけないのか。
主人公にはわからない。
就職や結婚がそんなに大切なものなのか。
就職や結婚をしなければ人間として認められないのか。
思わず、主人公を応援したくなる。

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