« 羊と鋼の森 | Main | キャリー »

2016.12.30

流(りゅう)

早いものでやがて今年も終わろうとしている。
この一年何をしていたのか、内心忸怩たるものがある。
それはともかく、来年に期待を込めて。


●『流(りゅう)』東山彰良(講談社)

直木賞受賞作。
帯には「二十年に一度の傑作!」(北方謙三)とある。
いやが上にも期待が高まる。

要約の難しい作品だ。
背景には、台湾の歴史がからんでいる。
中国本土における国民党と共産党の熾烈な戦い。
国民党の勇士であった主人公の祖父。

その祖父が何者かによって殺される。
主人公は、可愛がってもらった祖父を殺した犯人を
追及する。

だが、これはある種の青春小説だ。
喧嘩に明け暮れた主人公の高校生活。
そして、淡い恋愛。
二人を引き裂く兵役生活。

読むうちに「血」とは何かを考えさせられる。
我々は「血」から逃れられないものなのか。
そう、たぶん、我らは「血」から逃れることはできない。

期待が大きすぎて、ページを繰るのももどかしい、
とまではいかなかったが、骨太の読ませる作品だった。
読後、深い余韻が残った。

|

« 羊と鋼の森 | Main | キャリー »