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2017.02.07

旅のラゴス

●『旅のラゴス』筒井康隆(新潮文庫)

クチコミで読者が広まっているという本。
筒井康隆にしては真面目な(?)SFだ。

滅亡したらしい高度な文明を持つ人種の
わずかな子孫たちが、ある星にたどり着き、
独自の、そして原初的な文明を持ち始める。

主人公は、この星でとめどない旅に出る。
行く先々で出会う魅力的、蠱惑的、悪魔的な人々。
ときに、主人公は奴隷の身に落とされることもあった。

なぜ、人は旅に惹かれるのだろうか。
文明批評、未来予想、人類讃歌、
いろいろな読み方ができる本だと思うが、
私がいちばん惹かれたのは、旅のロマンティシズムだ。

二度と会えぬ人への想いや未知への探究心、
そして、さいはてへのあくなき憧れ。
この作品には、それらのすべてが込められている。

筒井康隆のロマンティストとしての一面が
うかがわれる好一品。

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