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2017.09.17

白魔

●『白魔(びゃくま)』マッケン
 (光文社古典新訳文庫)

怪奇幻想小説の巨匠アーサー・マッケンの
南條竹則訳。
「白魔」のほか「生活のかけら」および、
短編集『翡翠の飾り』からの小品3編が
収められている。

「白魔」は少女が魔女として育っていく
過程を描いた戦慄の名品。
魔物である「白い人」に魅せられていく
少女の姿にじわじわとした悪寒を覚える。
マッケンの作品においては恐怖と法悦が、
背中合わせになっているかのようだ。

「生活のかけら」は怪奇小説というわけでは
ないが、しがない会社員の日常に忍び寄る
幻夢に読者も知らず知らず誘われていく。

現代のホラー小説と違って、マッケンの小説は
わかりやすい怖さではない。
何か、得体の知れない、原初的な恐怖感を
もたらす。
そこがマッケン好きにはたまらない魅力だ。

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