« October 2017 | Main | December 2017 »

2017.11.25

第二阿房列車

●『第二阿房列車』内田百間(新潮文庫)

内田百間(門構えに月)の阿房列車第二弾。
今回は新潟、横手、山陽、九州へ行く。
相方はいつものようにヒマラヤ山系。

このヒマラヤ山系がいい味を出している。
山系は雨男と決めつけられている。
たしかに、行く先々、よく雨が降る。

しかし、別に名所見物をするわけでもないから、
とくに雨でもかまわない。
宿に着けばさっそく一献が始まる。

私は、この一献する場面が好きだ。
汽車のなかで、旅の宿で、すぐ一献。
山系氏のほうは面白いのか面白くないのか、
それでも氏なりに楽しんでいるらしい。
なんとなくほほえましい。

旅などしばらくしていないが、ついつい旅心を
誘われる。

|

2017.11.19

第一阿房列車

●『第一阿房列車』内田百間(新潮文庫)

内田百間(門構えに月)の極上旅行記。
もちろん百鬼園先生のことだから、
ただの旅行記とはわけが違う。
そもそも、これを旅行記と呼べるかどうか。

「阿房(あほう)と云うのは、人の思わくに
調子を合わせてそう云うだけの話で、自分で
勿論阿房だなどと考えてはいない。用事が
なければどこへも行ってはいけないと云う
わけはない。なんにも用事がないけれど、
汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う。」

そう、わかりやすくするために旅行記と書いた
けれど、これはふつうの旅行ではない。
一般に、旅行といえば、名所見物をしたり、
温泉に入ったり、名物料理を食べに行くのを
目的とする。
百鬼園先生は、そういう目的もないのに、
ただ汽車に乗りたくて出かけるだけなのである。
しかも、わざわざ借金をして。

付き合わされるのは、国有鉄道に勤める、
「ヒマラヤ山系」だ。
このヒマラヤ山系を相手に、汽車のなかで、
一献する。

うらやましい。最高の贅沢だ。
私も、こんな真似をしてみたい。
旅とは、本来、こうあるべきだろう。

本書では、百鬼園先生は、大阪のほかに、
静岡、九州、東北などにでかける。
どれも、珍道中だ。
ヒマラヤ山系とのとぼけた掛け合いも絶妙。

こんな旅は、新幹線がびゅんびゅん飛ばしてる
現代ではできないだろうな。
ある種、ノスタルジーも感じさせる。

|

2017.11.11

続百鬼園随筆

●『続百鬼園随筆』内田百間(新潮文庫)

内田百間(門構えに月)の第二随筆集。
百鬼園先生が怒りまくる「立腹帖」「続立腹帖」。
知人の死を悲しむ「鶏蘇仏」「破軍星」。
感情をあらわにする先生に共感する。

驚くべきは、先生が17歳のときに書いたという、
「文章世界入選文」。
恐るべき筆力。
こんなの私にはこの年になっても書けないや。
まあ、当然だけど。

|

« October 2017 | Main | December 2017 »