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2017.12.23

冥途

●『冥途』内田百間(ちくま文庫)

内田百間(門構えに月)の短編集。
短編というより掌編といったほうがいいか。
どれも夢の中の風景そのものだ。
悪夢のようでもあり、ときにユーモラスでもある。
この味は百鬼園先生でなければ出せない。

確かにこんな夢を見てもおかしくない。
しかし、見た夢をそのまま書いても、
こんなに夢らしくはならないだろう。

何度でも読み返したくなる本だ。

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2017.12.09

●『壁』安部公房

高校生の頃に読んでたいへん刺激を受けた。
あの頃の気分が懐かしくなって読み直してみた。

まったく覚えていなかった。
本当に読んだのだろうか。
ただ、確かに影響を受けたのだということは
わかった。

不条理でシュールで悲劇的なのにユーモラス。
名前をなくした男の胸の中には曠野が広がる。
その曠野にたまらない郷愁を覚えた。
そして、男は壁と化す。

高校生の頃、せっせと創作に打ち込んだことが
あったけれど、それらの作品にはこの『壁』の
影響が感じられるのだ。

それにしても、これほど覚えていなかったとは、
それだけ年をとったということか。

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2017.12.02

第三阿房列車

●『第三阿房列車』内田百間(新潮文庫)

内田百間(門構えに月)の阿房列車も第三弾。
今回は、長崎、房総、四国、松江、興津、九州の旅。

したいことをして仕事にしてしまう。
なかなかできることではない。

相変わらずの珍道中だが、四国の旅では、
体調を崩してしまう。
いつもは何もすることがないのが楽しかったが、
病だと、何をどうするという気も起こらないので、
何をすることがないのもありがたくない。

九州の旅では、猿の化身に付きまとわれる。
百鬼園先生得意の怪異小説の世界が、
現実に紛れ込んでくる。

もう、何年も旅行していないが、
旅の気分を満喫した。

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