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2018.06.10

卒業

●『卒業』東野圭吾(講談社文庫)

加賀恭一郎ものの第一作目。
そして、東野圭吾が江戸川乱歩賞をとってからの
第一作目でもある。

卒業を控えた大学生の友人関係をめぐる、
青春群像であり、本格推理ものだ。

すでに、加賀恭一郎ものを何冊か読んでいるので、
なるほど、こういう登場のしかただったのかと
興味も惹かれた。

ちょっと無理矢理なトリックだけれど、
密室ものや不可能犯罪に挑む作者の意気込みは
感じられる。

加賀恭一郎の仲間のひとりの女子大生が、
謎の死を遂げる。
自殺か他殺か。自殺にしろ他殺にしろ、
動機はまったく不明だ。

その謎も解けないうちに、またしても、
仲間の女子大生が死にみまわれる。
こちらも自殺か他殺か、また動機は
何なのかわからない。

剣道と茶道のマニアックな世界が、
丹精に描かれる。
最後はほろ苦い結末が待っていた。

青春小説と本格推理がみごとに融合した
佳作だ。

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