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2018.06.04

片想い

●『片想い』東野圭吾(文春文庫)

東野圭吾らしい問題作だ。
主人公は、大学時代アメフト部にいた
三十代の西脇哲朗。
毎年恒例となっているアメフト部の
同窓会が終わった夜、かつての
マネージャーであった日浦美月と再会する。

話があるという美月を自分のマンションに
連れて行き、洗面所を借りた彼女は、
驚いたことに男装をして出てきた。
そして、美月は告白する。
自分は殺人を犯したと。

哲朗は、妻とともに、美月をかくまうことを
決心する。

なぜ、美月は男装をしていたのかは、
物語の核心に迫るので触れられない。

解説によれば、作者は、SMAPの
「夜空ノムコウ」を聴いて本作の
着想を得たという。
あのころの未来にいる僕たちは、
どう変わり、何を失ったのか。

それにしても、これだけ複雑で、
多層なテーマをもつ作品をみごとに
完成させてしまう東野圭吾は本当に
すごい。
思わずうならされた。

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