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2018.07.03

ちょっと今から仕事やめてくる

●『ちょっと今から仕事やめてくる』
 北川恵海(メディアワークス文庫)

タイトルに惹かれて買った本。
ブラック企業に勤める隆は精も根も
疲れ果て、ある日ふらっと線路に
飛び込もうとする。

危ういところを救ってくれたのは、
ヤマモトと名乗る男だった。
ヤマモトは隆の同級生だという。

どうしてもヤマモトのことが思い出せない
隆だが、やがて二人の交流が始まる。

ある日、ネットでヤマモトの名を検索
してみたところ、出てきたのは3年前に
自殺した男のニュースだった。

それでは、隆が付き合っている
ヤマモトとはいったい何者なのか。
ヤマモトの正体がわからないまま、
隆は職場で追い詰められていく。

ライトノベルだからすぐ読み終わってしまった。
荒削りでストレートな作品だけど、
物語のエッセンスが詰まっている。
たとえば漱石の『坊ちゃん』がそうであるように。

ありきたりなラブストーリーではなく、友情の物語
にしたのも成功している。
実は、友情ものには滅法弱いのだ。

「弱さ」「こわれやすさ」「フラジャイル」。
この作品を支えているのはこの繊細な感覚だ。
だから共感を呼ぶ。

仕事に疲れた人におすすめの一冊。

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