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2019.04.03

第四の扉

●『第四の扉』ポール・アルテ(ハヤカワ文庫) 

平岡敦訳。 
アルテはフランスのミステリ作家。 
ジョン・ディクスン・カーの影響を受けてミステリを 
書き始めたという。 
そのためフランスのカーと呼ばれている。 
本書は作者にとって2作目に当たるが、1作目が限定出版 
だったので、実質的なデビュー作といえる。 
タイトル、舞台設定、謎解きなど、なるほどカーの作品を 
彷彿とさせる。 

ある田舎町にある幽霊屋敷。 
主の夫人が凄惨な自殺を遂げたいわくつきの屋敷だ。 
間借り人はなぜか逃げ出すよに去ってしまう。 
そこに新しく間借りしたのが霊能力者の夫妻だ。 
ある日、夫妻は自殺した夫人の交霊実験を試みるが、 
思わぬ殺人事件が起こる。 
完全な密室殺人だ。 

次々と起こる怪事件に、読者はいったいどのような 
解決策があるのか大いに興味をそそられる。 
後半では見事に事件が解決されるのだが、 
最後の一行まで仕掛けが施されている。 
ええっ、そうだったの。 

密室殺人の解決にはどうしても無理が生じるものだ。 
決して嫌いではないが、やはり腑に落ちる 
人間ドラマが欲しくなってしまう。 
それでも不可能犯罪に挑戦するアルテには脱帽する。 
アルテにはまだ未訳の作品が多くあるが、 
既に訳された作品をもう少し読んでみる気になった。

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