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2019.06.20

真夏の方程式

●『真夏の方程式』東野圭吾(文春文庫) 

本屋でめぼしいミステリーを漁っていると、 
つい当たり外れの少ない東野作品に手が伸びる。 
多作な作家なので、とても全作品を読みきれて 
いないが、いままでハズレはない。 

東野作品に共通していえるのは、どれも一種の 
「人情物」であるということだ。 
トリックも練りに練られているが、事件に至る 
までの人間模様に惹きつけられる。 

本書はガリレオシリーズの第6弾。 
舞台は架空の観光地、玻璃ヶ浦。 
仕事で当地を訪れた湯川は電車の中で知り合った 
少年、恭平の叔母一家が経営する旅館に宿泊する。 

事件はその夜起こる。 
同じ旅館に宿泊していた客が変死体で発見されたのだ。 
しかも、その客は元刑事だった。 
当初、単なる落下事故であると思われたが、解剖の結果、 
死因は一酸化炭素中毒であったことが判明する。 

湯川と県警とガリレオシリーズではお馴染み警視庁の 
草薙、内海コンビの捜査が三つ巴で進む。 
やがて、死亡した元刑事と意外な人物との関係が 
明らかになってゆく。 

湯川にとっても、少年、恭平にとっても、忘れられない 
夏になる予感を漂わせて物語は終わる。 
東野圭吾らしい感動作だ。

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