« 白痴 | Main | 暗約領域 新宿鮫11 »

2019.10.15

事典の語る日本の歴史

●『事典の語る日本の歴史』大隅和雄(講談社学術文庫)

私が『知の分類史』を出したときには、まだ文庫化
されていなかった。
もし先に文庫化されていたなら、ぜひとも参照したかった。

日本の歴史上に編纂された代表的な事典をとりあげ、
その時代の「知」を総覧していこうという試みで、
おおいに触発された。

取り上げている事典は『類聚国史』から
『日本百科大辞典』まで13点。
なかには『太平記』のような軍記物まで含まれている。
なぜ、『太平記』が事典に含まれているのか、
疑問に思われる方もいるかもしれない。

しかし、物語は、ホメーロスの『イーリアス』の時代から
百科事典の役割を持っていたのだ。
当時の人たちは、物語に描かれる事物を元に知識を
広げていった。

本書は日本人がいかに「知」を集積しようとしてきたか、
その苦闘を描いて興味がつきない。

|

« 白痴 | Main | 暗約領域 新宿鮫11 »